そろそろクリスマスですね🎄
皆さん、もうサンタさんにおねだりしましたか？笑
数年前、クリスマスに研修医A、Bと友人との4人で、東京ドイツ村へイルミネーションを見に行ったことがあった。
ドイツ村までは最寄駅からかなり距離があり、行きはバスを利用した。
クリスマスなのもあり、人の多いこと多いこと。
若干バス酔いしながら辿り着いたドイツ村。
イルミネーションはかなり気合いが入っていて、流石関東3大イルミネーションなだけある。
田舎なので土地も余っており、広い敷地にこれでもかというくらい電球が敷き詰めてあった。
付き合っているわけでもなんでもない私達4人は、わぁきゃぁ言いながらはしゃぎまくる。
しかしそんなテンションは長く続かず、1時間もすると
「帰ろうか」
と言い始める始末。
寒いし、疲れたし、帰ろうとバス停に行くと…1時間に1本しかないバスに乗ろうと、ながーーーーい列ができていた。
4人で顔を見合わせ、歩いて駅まで行くことにした。
駅までの道は暗い。
街灯もぽつぽつしかなく、だだっ広い畑の脇を、研修医Bが出した携帯の地図を見ながらてくてくと歩く。
狸でも出てきそうだ。
と、研修医Aが、トイレに行きたいと言い始めた。
一番近いコンビニは10分前に通過してしまっていた。が、この先コンビニがある保証もない。
研修医Aは、コンビニまで戻り、トイレを借りてくる、先に行っててください、と言い、来た道を引き返し始めた。
幸い、駅までの道はほぼ一本道である。これなら迷うこともなかろう。
20分後、私達3人は駅に到着した。
しかし、待てど暮らせど研修医Aは来ない。
どうしたんだ？まさか迷った？
不安がよぎる。
駅に研修医Bを残し、友人と2人で来た道を戻り、捜索を開始した。
歩くこと20分。研修医Aには遭遇しないまま、コンビニに辿り着いてしまった。
このコンビニに戻った筈なのだが……
コンビニに入り、店員さんに声を掛ける。
「あの、さっき背の高い男性がトイレ借りに来ませんでしたか？」
すると、店員さんはニヤッと笑いながら
「あぁ、あいつ？あいつならもう戻ってこないと思うよ」
と言うではないか。
一体どういうことだ。
コンビニを出て、研修医Aの携帯電話に電話をする。
プルルルル…
呼び出し音が鳴る。
2秒後、呼び出し音が途切れた。
「もしもし」
それは研修医Bの声であった。
ん？？番号間違えたか？？と思い画面を確認するが、表示画面にはAの名前。
私「え？なんでB？もしかして会えた？」
B「違うんです〜。僕のGPSが壊れてて使えないんで、Aの携帯で地図見てたんです〜」
私「…つまり、Aは携帯持ってないってこと！？」
B「そうです〜」
あほか、こいつら！！
別れる前にちゃんと渡しておきなさいよ！！
ていうかAも気付きなさいよ！！
これは本格的にヤバい……
とりあえず、闇雲に動いても仕方ない。一旦駅に引き返そう。
と、後ろのほそーい脇道から
「kooせんせい〜」
と声が。
kooはホラーと暗いところが大の苦手。
咄嗟に友人の陰に隠れる。
脇道から誰かが出てきた。
「待ってください〜」
研修医Aだった。
「どこいたの！？探したんだけど！！」
しょぼくれる研修医A。
なんでも、トイレを借りにコンビニに行ったのだが、店員には声をかけずにトイレを借りたのだそうだ。
用をたしてトイレを出ると、背後には店員が。
「トイレ使うときは声かけろって書いてあんだろー！！ふざけんな！！」
「わぁぁぁ！ごめんなさいぃぃ！！」
その後、コンビニから数百メートル程全速力で追いかけられたのだそう。
無我夢中で逃げていたら、どこにいるのかわからなくなってしまったのだと。
無事に合流できたからよかったものの…この日は気温3度。
道に迷いっぱなしだったらきっと低体温症になっていたことであろう…。
コンビニで買った暖かいコーヒーを、トボトボと歩いているAにそっと手渡し、3人で駅まで歩いて帰った。
なんとも間抜けなような、怖いような体験であった。
これ以降研修医Aがコンビニでトイレを借りなくなったのは言うまでもない。
