口腔外科医のあれこれ

某市中病院で働く口腔外科医が、日々の診療のことや旅行記などなどを書いています。フィクションあり、ノンフィクションあり。信じるか信じないかはあなた次第。

横浜マラソン

きたる10月28日、横浜マラソンが開催される。

f:id:tct837etbd3:20181007102056j:image

抽選倍率は5.78倍。結構な倍率である。

因みに、東京マラソンは抽選倍率は12.1倍。ただし、寄付金を払えば走れるらしい。

 

先日初診で歯が痛くて早く抜いてほしい、と言って来院した患者さんがいた。

なんでも、横浜マラソンに応募し続けて4年、やっと抽選に当たったというのだ。

 

抜歯するのはいいのだが、歯を抜いた後というのはとても痛い。

ましてや、ランニングをするとなると、血行が良くなるので鎮痛薬を飲んでも激痛となることが容易に想像できた。

患者さんにその話をすると、

「でも、今も痛いのは変わらないので、やっちゃってください。」

と言われた。

 

わかりました、としか言えない。

じゃぁ、明日またいらっしゃってください、と伝え、診察は終了。

 

最後に

「しかし、よく横浜マラソンあたりましたねぇ。折角当たったんだし、良いタイムで完走できるといいですね。」

と言うと、患者さんはにっこにこ。

「そうなんです、4年間応募し続けてよかったです。実はね、夫婦で当たったんですよ!一緒に応募すると倍率下がるって聞いて」

と。

ふーん、そんなシステムが

「そうですか、いいですねぇ。そしたらご夫婦で走れて良い思い出になりますね。」

と何の気なしに言ったのだが、

「え、いやです、先生〜。手繋いで走るわけじゃないんですから〜。」

と本気で照れる50代女性。

……若いな。

というか、そもそもマラソン大会で大の大人が手繋いで走らないでしょう。貴方。

なにをそんなに照れる…。

 

…ははははは。とから笑いするしかなかった。

 

後日抜歯は無事に終わったが、彼女は旦那さんと問題なくランニングに励んでいるだろうか。

ま、便り(痛いという電話)がないのは元気な証拠というし、大丈夫か。

 

無事、旦那さんとゴールテープを切ってもらいたいものだ。